成年後見制度を考える
今回のテーマは少し専門的かもしれませんが、ぜひ考えてみていただければと思います。
長寿の時代になりましたが、その分「自分の老い」と向き合う機会が増えたと感じる方も多いでしょう。
もちろん「老い」は必ずしも悲しいことばかりではありませんが、以前できていたことが次第にできなくなるという現実に、少なからず悲しみを覚えることもあると思います。
私自身も、家族や自分の将来を想像すると、「向き合うきっかけがなければ、なかなか考えることができない」と感じることがあります。そこで、今回は成年後見制度について考えてみたいと思います。
成年後見制度とは
成年後見制度は、認知症などで本人の意思決定能力が低下した際に、第三者が代わりに意思決定を行うための制度です。本人が契約社会でのトラブルに巻き込まれないように、介護保険制度と同時期に導入されました。
しかし、この制度にはいくつかの問題点があります。
制度の問題点
成年後見制度では、後見人は家庭裁判所によって選任されます。しかし、制度開始以来、後見人による横領事件が複数件発覚しています。これは、本人の意思能力がないことを利用した非常に恥ずべき行為です。
横領事件の加害者には、被後見人の親族だけでなく、職業後見人である弁護士も含まれていました。そのため、現在では家庭裁判所が選任する際、家族ではなく弁護士が後見人として選ばれるケースが多くなっています。
成年後見制度を利用するか
自分の家族が認知症になったとき、この成年後見制度を利用するかどうか、改めて考えさせられます。
私自身は、この制度を利用しないつもりです。家族の旅行費用や入院費用など、いちいち職業後見人(弁護士など)に相談するのは、納得がいかないからです。
任意後見制度の重要性
そのため、私は任意後見制度の利用が重要だと考えています。
任意後見制度とは、本人の意思決定能力が低下する前に、事前に自分で後見人を選任できる制度です。私自身も、家族にはこの制度を利用してほしいと強く思っています。
少し重たい話題かもしれませんが、成年後見制度について考えるきっかけになれば幸いです。
ご不明な点やご質問がございましたら、どうぞお気軽にお声がけください。